水質浄化材として、水質汚濁要因の吸着分解にご利用いただけます。
ビオトープサンド(粗粒、微粒、微粒固化品など)は水質浄化、臭気浄化、バクテリア育成助材など、多機能な力を持つ砂状の新技術浄化材です。
ビオトープサンドの外観は黒色、主成分はシリカと炭素で、官能基(フェノール基、カルボシキル基など)による吸着作用と、好気性条件を好む常在菌を活性増加させ、常在菌の働きによる吸着や分解等の浄化作用が加わる特性を持っております。
水質汚濁の要因となるアンモニウム、窒素系有機物、リンなどに対して吸着と現地常在菌の活性増加による有機物分解とが相まって水が浄化され、水環境に生息する生物をも活発になることから、多自然環境水域の形成が向上します。
また高品質な水質浄化材を使用した時の還元電位と同様に、水を良質に変え、劣化が起こりにくいなどの効果も得られるので、長期に亘り水の浄化作用と保全を維持する事が出来ます。
水質浄化例(汽水域のアオシオの場合)
富栄養化した汽水域の場合、夏になり水温が30℃近くになると貧酸素水塊が発生し時としてアオシオ(苦潮ともいう)が発生します。
アオシオの発生している原水でのビオトープサンドによる浄化効果の実証を化学的酸素要求量(COD)の測定により実証実験を行いました。水槽にビオトープサンド粗粒1kg(10kg/m2)を透水性袋に入れ、ポンプ循環しながら水質を測定しました。ビオトープサンド使用によりCODの低下が見られ浄化していると考えられます。
富栄養化池水の浄化
アオコを含んだ富栄養化が著しい池水(名古屋市H公園)を用いて先の実験と同様の方法で浄化実験をした結果を写真-1に示します。ビオトープサンド粗粒1 ㎏を透水性袋に入れて底に設置しポンプ循環させた実験ですが、アオコは静かに消えるように分解し写真に示すように浄化しました。
エサにより富栄養化した公園池水浄化
図-2 ビオトープサンド使用 岐阜市の池の浄化例
この池では鯉にエサを与えるため池水の濁りが上昇し、クロロフィルも増加し水環境が悪化していた。
池の面積8,000㎡に対し、エサの残留物などが多く最も水質が悪い箇所の約60 ㎡の底部にビオトープサンド粗粒を設置、浄化を試みた結果、ビオトープサンドを使用し約2 年間でCODは84%低減、濁度は83%低減、逆にDOは61%増加し魚類の生息環境が改善されました。
これはビオトープサンドの特性である好気性条件を好む現地常在菌の活性増加による効果と見られ、生息する生物にも好影響を与え、2年目には稚魚が多く見られた。
名古屋市の釣り堀池の池水浄化例)
写真-2 左:浄化前、右:約2年後(ビオトープサンド使用)
例年、夏期にアオコが発生し魚類の浮き上がりが多く見られた釣り堀池の水質改善を行った。
ビオトープサンドペレット使用連続浄化装置
連続浄化装置の中ほどにビオトープサンドペレットを設置し、約50ℓ/分の割合で池水を通し約80 分で通過する間に、ビオトープサンドの吸着効果と現地常在菌により、植物性プランクトンやアオコを分解浄化でき、図-4のように浄化作用が継続されていることが分かりました。
また、本装置の中で活性増殖した常在菌は吐出した水と一緒に池へ入り広がることで、一元的な浄化作用だけでなく、小規模の浄化装置でも広範囲に浄化・保全がなされ、健全な水質保全の形成が向上する事がわかりました。実際にこの釣り池ではビオトープサンドによる浄化開始がH20年4月からでしたが、その年の夏からアオコが出なくなり、雨上がりの後に魚が大量に浮くなどといったことも、浄化開始後、全くありません。
左写真 H23.6.22 撮影 釣り池近況
◇用途
・有機物の吸着並びにバクテリアの活性化による水質浄化・保全材
◇活用の効果
・本材料は自然対流で水の浄化および保全ができるため、メンテナンスが軽減され経済性が向上する。
・現地バクテリアの活性化により有機物分解と材料表面の吸着性が相まって水が浄化され、閉鎖水域や排水処理施設などにおいても健全な水質保全の形成が向上する。
・水環境に生息する生物をも活発になることから多自然環境水域の形成が向上する。
◇適用範囲
・湖・沼・池・用水路・排水路・小河川・干潟・ダム水域等の有機物汚染水域。
・農業集落排水処理施設・浄化槽・一般排水処理施設・水景施設。
◇特に効果の高い適用範囲
・富栄養化した水質および水域。
・アオコ発生し易い池・湖・沼、生活排水の流入する池、水処理施設等。
■水質浄化 ■土壌改良 ■土地改良■臭気浄化 ■緑化促進